認知症予防!補聴器で聞こえを取り戻す M04

Sengoku
今回は補聴器についてご紹介します。

相手の話していることがよく聞こえないときはありませんか?

耳も目と同じ、年を取ると機能が低下します。

眼鏡をかけるのと同じように補聴器を使ってみてはいかがでしょうか。

また、「聞こえ」を取り戻すことは他人の言葉が聞き取りやすくなるだけでなく、認知症の予防になります。

(この記事は約2,900字です)

補聴器とは

補聴器は、病気や老化等により聴力に障害がある人がつけます。

聴力の障害は、大きく分けると「伝音声難聴」と「感音性難聴」があります。

どちらの難聴にも補聴器は有効ですが、補聴器を使うためには「慣れ」が必要です。

聴力が衰えてそのままにすると、耳から脳に伝達される情報量が少なくなり、脳が萎縮(いしゅく)して機能が低下します。

その状態で補聴器をつけ始めると、耳から脳に伝達される情報が急に増え、脳が驚いてしまいます。

脳が驚くと「補聴器からの音を不快に感じる」ようになります。

そのため、脳の以前の機能を取り戻すために「慣れ」が必要となります。

聞こえが悪いのをそのままにしておくと、会話に参加できない、会話を避ける、外に出なくなる、社会的に孤立する、うつ状態になる、と症状が進行し、脳の萎縮が急速に進み、認知症になるリスクが高まります。

難聴と認知症の関係(①→⑥)

  1. 会話に参加できない
  2. 人との会話を避ける
  3. 外に出なくなる
  4. 社会的に孤立する
  5. うつ状態になる
  6. 脳の萎縮が急速に進み、認知症となるリスクが高まる

補聴器の機能

補聴器は音を増幅して、加工し、他人の言葉を聞き取りやすくします。

聴力は低音域から高音域に分かれており、人によって機能が低下した音域は違います。

そのため、音域ごとに設定が必要なので、専門家による調整(フィッテング)が必要です。

なお、補聴器にはアナログ式とデジタル式があります。

現在主流なのはデジタル式です。

また、アナログ式では補聴器の様々な機能が制約されます。

アナログ式とデジタル式は全く違うものなので「最初は安価なアナログ式で、慣れたらデジタル式で」と考えてしまうと、お金を無駄にしてしまいます。

補聴器を購入するなら、最初からデジタル式を選ぶことをおすすめします。

補聴器の仕組み

補聴器はその字のとおり、「聴力」を「補う」ための機械です。

補聴器が発明されて間もないころは、単純に耳に入ってきた音を大きくするだけでした。

しかし、現在では機能が向上し、入ってきた音を加工して聞こえやすくすることができるようになりました。

音を加工することで、うるさいと感じる音や不快に感じる音をそう感じないようにします。

この脳の「感じ方」があるために、補聴器は眼鏡と違い、専門家による定期的な調整が必要となります。

補聴器の仕組みは、【マイク】で音を集めて、【アンプ】で音を加工し、【レシーバー】で耳に伝える音を出す、となります。

  1. 音を集める(=マイク)
  2. 音を加工する(=アンプ)
  3. 音を出す(=レシーバー)

補聴器の歴史

補聴器はテクノロジーの進化により発展してきました。

特に補聴器の心臓部分ともいえる「アンプ」(音を加工する役割)が1950年頃から急速に進化しました。

今後も更なる機能の高度化が見込まれます。

1600年中頃 ドイツのケルファーがトランペット型補聴器を開発
1876年 アメリカのベルが電話機を発明
1878年 ドイツのシーメンスが電話受話器を発明
1892年 アメリカのミルティモアが電気式補聴器を開発
1920年代 真空管アンプの補聴器が登場
1950年代 トランジスタアンプの補聴器が登場
1960年代 ICチップ補聴器が登場
1980年代 オーダーメイド補聴器が登場
1990年代 高性能デジタル補聴器が登場
2000年代 デジタル補聴器のチャンネル数やオプション機能が増加
2010年代 デザイン性や防水機能が高度化

補聴器の種類と特長

補聴器はその形状によりおおまかに、耳あな型、耳かけ型、その他、の3種類にわかれます。

なお、聞こえの程度により「軽度」「中等度」「高度」「重度」の4つに分かれており、程度によっては使えない型があります。

  1. 耳あな型
  2. 耳かけ型
  3. その他(ポケット型、メガネ型)

耳あな型

耳あな型は、耳のあなに収まるタイプです。

目立ちにくいという長所と、比較的高額であるという短所があります。

耳あなは人それぞれなので、耳あなの「型」を取って制作するオーダーメイド品が主流です。

耳かけ型

耳かけ型は、耳にかけるタイプです。

扱いやすいという長所と、汗が入りやすいという短所があります。

また、日常的に眼鏡をする人は、眼鏡のツルと補聴器が接触し、不快に感じることもあります。

その他(ポケット型、メガネ型)

ポケット型は、本体が大型で、イヤホンを使用するタイプです。

比較的低額であるという長所と、本体が大きいという短所があります。

メガネ型は、眼鏡のツルに補聴器の機能をもたせたものです。

眼鏡と補聴器を併用できる長所と、眼鏡のデザインが限られているという短所があります。

補聴器メーカー

世界には優れた補聴器メーカーはたくさんあります。

メーカーには得意分野と不得意分野があるので、自分にあったメーカーを選んでください。

また、補聴器は精密機器で定期的な調整が必要なので、信頼できる販売店で購入することをおすすめします。

ここでは代表的な3つをご紹介します。

  1. フォナック(スイス)
  2. ワイデックス(デンマーク)
  3. リオン(日本)

フォナック(スイス)

世界シェア1位の補聴器メーカーです。

ほとんどの「聞こえ」の程度に対応しています。

最高位モデルは高額ですが、値段が手ごろな普及版もあります。

ただ、地方では販売店が少ない傾向があります。

フォナック社のホームページはこちら

ワイデックス(デンマーク)

ワイデックスは日本で人気のあるメーカーです。

2019年に同じ補聴器メーカーのシバントス(旧シーメンス)と合併しました。

離れた人、小声で話す人、ぼそぼそ話す人の声をはっきりと聞き取りたい場合にはワイデックス補聴器が向いています。

ワイデックスが生まれたデンマークは、国民の幸福度が高く福祉大国としても知られています。

デンマークでは若い世代から多くの人が補聴器を愛用しており、ワイデックスが支持されています。

ワイデックス社のホームページはこちら

リオン(日本)

日本最大手の補聴器メーカーです。

リオネット補聴器として知られています。

実はフォナックやワイデックスといった世界のメーカーと比べると規模は小さいです。

日本メーカーならでは着眼点で補聴器つくりがされており安心感があります。

ただ、研究開発費が限られているため、他メーカーと比べると新商品が出るのが少し遅いです。

リオン社のホームページはこちら

まとめ:認知症予防!補聴器で聞こえを取り戻す

  1. 聞こえが悪くなると脳への刺激が少なくなり、認知症になるリスクが高まります。
  2. 装着感を高めるなら耳あな型、値ごろ感なら耳かけ型が選択肢です。
  3. きめ細かな調整ができるデジタル補聴器から始めるのがおすすめです。
Sengoku
眼鏡と比べると高額な補聴器ですが、利用者の増加や技術革新により、手ごろな値段で購入できる日がくることを期待します。

 

<補聴器に関連するもの>


難聴と脳の関係性や補聴器の重要性についてわかりやすく書かれています。

補聴器購入の前にぜひお読みになることをおすすめします。




補聴器の電池は消耗品です。

主流の電池はPR41(312)、PR44(675)、PR48(13)の3つです。

販売店で購入すると高い場合もありますので、家電量販店やネットで購入するとよいかもしれません。

間違えないためには未使用の電池に貼られているシールの「色」も手掛かりになります。

  1. PR41(312)茶色のシール
  2. PR44(675)青のシール
  3. PR48(13) オレンジのシール

補聴器によって電池は違いますので、購入の際は気をつけてください。


補聴器は精密機器ですので湿気や衝撃に弱いです。

使わないときは乾燥機で保管すると長持ちします。

また、販売店で定期的にクリーニングをしてもらうとよいでしょう。

-Mono

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